九月の茶花 [お茶]
遺徳を偲んで『天然忌』を行います。お好きだった芙蓉のお花をお供えします。
本来なら白の方が良いのですが、その日には白が咲かなくて...
今年はピンクの芙蓉を入れました。
少し後から咲いた白の芙蓉。 北側に植えてありますので、少し暗いです。
一番早く咲く椿の西王母。9月には椿を使いませんが、茶花としては大変好まれるお花です。
タイワンホトトギス
このお花も秋の茶花には欠かせないお花です。
ヤブミョウガ
葉が茗荷の葉に似ているのでこの名がついています。
実が黒真珠のようになり、綺麗です。
雨が降ると一気に気温が下がり、上着が欲しいような陽気になります。
でも晴れればまだ暑い日もあり、体調を崩さないように、気をつけなければなりませんね。
インフルエンザで学級閉鎖になった所もあるそうです。
二月のお稽古 [お茶]
掛物は立春を過ぎましたので「春来生草自」を。
(春きたりて 草おのずからしょうず)
春は名のみの風の寒さや〜、ですが
小さな草の芽も出始めました。もうそこまで春は来ているようです。
お花は三椏と西王母椿です。(ミツマタは買って来ました)
花入は竹の一重切
今回は茶通箱というお点前を致しました。
お客様からお抹茶を頂いた時などに、頂戴したお茶を茶入に、亭主が用意したお茶は真塗の中棗に入れ、仕覆に入れます。
そして茶通箱といわれる桐の箱に両方入れ、濃茶を二回続けて点てます。
このお点前は口伝と言われています。少し難しいお点前です。
茶入は珠光文琳写しで、仕覆は有楽緞子です。
茶杓は即中齋写しの「東風」を。
東風吹かば においおこせよ梅の花 主なしとて春な忘れそ。
菅原道真の歌から銘々されているようです。
真塗の中棗は輪島塗。
仕覆は金春金襴を。
主菓子は梅ヶ香
干菓子は絵馬と鴬
主茶碗は赤志野の大振りのお茶碗を使いました。
橋の絵がありますので、銘を「弁慶」としました。
二月といえば梅というイメージがありますので、
薄茶のお茶碗は白の楽焼、乾山写しの「槍梅」を使います。
世田谷の静嘉堂文庫美術館で
2月9日〜3月23日まで「茶碗の美 −国宝・曜変天目と名物茶碗−」が開催されています。
静嘉堂は二子玉川の近く、閑静な住宅街にあります。
正門から木立をぬけて小高い丘に上がると、文庫と美術館があります。
国宝 曜変天目茶碗は稲葉天目とも言われています。
曜変天目は世界に3つあるそうですが、(全部日本にあります)その中でもこの曜変天目は特別な輝きを見せています。
一言でいえば、まさに宇宙を思わせる景色になっているのです。
このお茶碗は中国の南宋時代に作られたもので、日本の留学僧が中国から持ち帰ったと言われています。
このお茶碗を再現しようと、後世の陶芸家がいろいろ作って見たそうですが、今だに同じ物は作ることが出来ないそうです。
このお茶碗は偶然作られたものではないかと言われています。
とにかく一度ご覧になる価値はあると思います。
その他にも素晴らしいお茶碗の数々が展示されています。
茶碗だけの展覧会というのも珍しいことだと思いますので、
お近くの方はお出かけになられてみてはいかがでしょうか・・・。
窓ガラスにメジロがぶつかり目を回したようで、しばらく庭のトサミズキでじっとしていました。さぞ痛かったのでしょう。ふくれています。
近くによって写真を撮ることができました。
ちょっと心配でしたが、いつのまにか飛んで行ったようです。良かった!
一月のお稽古 [お茶]
一年で一番寒い季節になりましたね。
そこで掛物は「紅炉一点雪」(こうろ いってんのゆき)を掛けました。
26日のお稽古は、竹の一重切の花入に万作と有楽侘助椿を入れました。
今月初めてのお稽古には唐金の曽呂利の花入に、数寄屋侘助椿とむすび柳を入れてみました。
ご近所の方に水仙を頂きましたので、同じ花入に入れてみましたが、口が小さいので、少々難しかったです。
茶入は信楽焼の肩衝で、茶杓は宗旦写しの「雪下折」を。
(新古今集の 明けやらぬ ねざめの床にきこゆなる まがきの竹の雪の下おれ)から銘々されたと言われています。
仕覆(しふく)は江戸和久田金襴です。
茶器は金林寺を。(金輪寺とも書きます)
主菓子は梅ヶ香。 梅の花に雪が積もった様子でしょうか・・・。
濃茶のお茶碗は灰被ぎ志野を使いました。(加藤 健作 )
出し袱紗の柄は牡丹唐草です。
薄茶のお茶碗は、寒い時だけ使う赤楽の筒茶碗を。
また替茶碗として、今年初めて使う黒薩摩の「雪波釉」と箱書きされていたお茶碗を使いました。
このお茶碗を作られた中野静鳳先生と昨年お会いする機会があり、その折りに買い求めました。このお茶碗の模様は夏は波、冬は雪と見立てて使ってみて下さいとの事でした。
とても使いやすく気に入っています。
初釜 [お茶]
1月12日(土曜日)お初釜を致しました。
掛物は「春入千林処々鴬」(はる せんりんにいりて しょしょ うぐいす)
大徳寺龍源院 細合喝堂ご老師の書です。
初釜はいつもこの掛物を掛けます。
後席の花は臘梅と紅白の椿を入れました。
その他の道具は昨年と同じものを使っています。
昨年の初釜の記事は、こちらをご覧下さい。
http://blog.so-net.ne.jp/chabana/2007-01-18
http://blog.so-net.ne.jp/chabana/2007-01-15
今年は初めてお初釜に参加なさった方が二人いらっしゃいます。
とても楽しかったとの感想を頂いて、私もほっと致しました。
この日は生憎の雨で、蹲(つくばい)は使いませんでした。残念!
雨と判っていても、前日は露地のお掃除をして、蹲を清め、粗相のないように気配りをします。
蹲のそばに一輪だけ、雪割草が咲いていました。
今年は椿の開花が遅く、やっと太郎冠者のつぼみがほころび始めました。
この寒さが少し緩んだら、椿も雪割草一気に咲き出して欲しいものです。
服紗(ふくさ) [お茶]
<出し服紗>
茶道では、薄茶と濃茶を点てて頂きますが、
(薄茶は茶杓に1.5杯、濃茶は茶杓3杯を入れます)
濃茶は点てると言うより、練ると言ってもよいでしょうね。
上手に練られたお抹茶は、飲み終わった後甘い感じがして、とても美味しいものです。
濃茶には出し服紗という裂(きれ)をお茶碗に添えて出します。
この出し服紗を広げて上にお茶碗を乗せて頂きます。
この出し服紗は大変種類が多く、茶道具の中では珍しく色彩が多く、楽しむことが出来ます。
出し服紗は名物裂などの優れた時代裂で仕立てられたものが多いのですが、現在は模して作られたものを使っています。
(名物裂とは本来名物道具に付属することによって、名物裂の資格を得た裂が多いのです)
また、新しくお家元がお好みをお作りになることもあり、いろいろな服紗を楽しむことが出来ます。
そこで今回はその出し服紗をご紹介したいと思います。
「牡丹唐草紹巴」(ぼたんからくさ しょうは)
「福寿元禄紹巴」(ふくじゅげんろく しょうは)
「名物手中牡丹之紹巴」(めいぶつで、ちゅうぼたんのしようは)
「獅子狩文錦」(ししかりもん にしき)
「戸隠裂」(とがくしぎれ)
「吉野間道」(よしのかんとう)
「寅宝尽段紋」(とらたからづくし だんもん)
この他にお家元のお好みで作られた服紗に
「寿松宝文紹巴」(ことぶきにしょうほうもん しょうは)
而妙齋宗匠お好み
「青海波つぼつぼ」(せいかいはつぼつぼ)
覚々齋宗匠御好み
「瓢箪唐草文紹巴」(ひょうたんからくさもん しょうは)
吸江齋宗匠御好み
以上の出し服紗は私のものばかりではなく、お弟子さんの服紗も載せました。
何かカタログみたいになってしまいましたね(^_^;)
皆さまはどの服紗がお好きでしょうか・・・。
ここで最近入れた茶花を・・・。
紅妙連寺椿を志野焼の「瓢箪花入」に入れました。
12月に咲きだす白侘助椿を信楽焼の「うずくまる」の花入に。
今年は椿の開花が遅いようです。
初花肩衝 [お茶]
11月28日に上野の国立博物館で開催されていた「大徳川展」に行って来ました。
どうしても見たい<初花肩衝茶入>が出品されているからです。
寒い中を70分待って、いざ<初花肩衝茶入>を・・・
ところがどこにも見当らず、係の方に伺うと<初花>は前期に公開されて、今は出ていません・・・とのこと、
あらら〜〜分かっていたら並ばなかったのに・・・(^_^;)
でも今まで目に出来なかった茶道具や、皇女和宮のお興入れの時の道具など、いろいろ見られて、それなりに納得して帰ってまいりました。
私が是非見たいと思った<初花肩衝>とは
大名物(おおめいぶつ)、漢作唐物肩衝(かんさくからものかたつき)のことで、古来茶入の筆頭に挙げられる天下の名器です。
世にさきがける初花の趣があるとして、足利八代将軍義政公が銘したといわれ、信長、秀吉、家康の三人の天下人の手を経て、現在も徳川本家に秘蔵されています。(重要文化財)
義政、信長、秀吉、家康が手にした茶入が今も残っているのです。天下人の愛した茶入とは、いったいどのような茶入なのでしょうか・・・。是非この目で見たかったのです。
秀吉がこよなく愛でた茶入れですから、きっと素晴らしい茶入なのでしょうね〜。
この茶入は個人蔵のものですから、なかなか見る機会がありません。
実物を見ることができたなら感慨もひとしだったのではないかと思います。
今ではその茶入を模して作られたものを、茶道具屋さんで手に入れることが出来ます。
我が家にある、写しの<初花肩衝>をご参考までに・・・。
仕覆は<丸竜鳥襷>(がんりゅうとりだすき)です。
本歌(本物という意味です)にはとても及ばないと思いますが、形と釉の感じは模しているようです。
本歌の<初花肩衝>には名物裂で作られた仕覆(しふく)が三つ付いています。我が家にあるのは、そのうちの一つです。
因に、その<初花>対して<遅桜肩衝>大名物、漢作唐物茶入と言う物もあります。
遅桜の銘は、初花に対するもので、<初花肩衝>より上にあるべきものだが、初花より披露が遅れたので、金葉集の歌「夏山の青葉交じりの遅桜 初花よりも珍しき哉」の意に因んで義政が銘したものと言われています。(現在は三井文庫に所蔵)
美術館の帰り道、思いがけず上野公園の晩秋の風景を見ることが出来ましたので、ちょっとご紹介致しますね。
上野の森も結構いいでしょう〜(^_^)
落葉両三片 [お茶]
十一月は茶家にとっては一番忙しい月となります。
今まで使っていた夏の道具を冬の道具に入れ替え、
炉を開き灰を入れます。
お茶の世界ではお正月にあたりますので、晴れやかな気分でお茶を頂きます。
五月に採れた新茶を茶壺に詰め、十一月に壺の口を切り、新しいお茶を石臼で挽きお抹茶にします。(我が家では買って来たお抹茶を使いますが・・・)
炉を開いて三週間。紅葉も里に下りて来ましたし、そろそろ落ち葉も目立つようになりました。
そこで掛物は「落葉両三片」に・・・。
葉がふたひら、みひらと落ちていく様を表わしています。
炉の中には赤々と炭が・・・。
お釜から立ちのぼる湯気が茶室を暖かく包んでいます。
お花は嵯峨菊の白と紅妙連寺椿を入れてみました。
次の週は、ご近所の方に頂いた雪柳の照葉に西王母椿を。
先日のお稽古の主菓子は小男鹿で、干菓子はイチョウと銀杏でした。
庭の木々も葉を落し始め、寂しげな庭に石蕗(ツワブキ)の
花がひっそりと咲いています。
先日は蕾だったオレンジ色の嵯峨菊も開き、彩りを添えています。
キッチンの窓辺には、一枝手折った野紺菊を信楽焼きの花入れに・・・。
これからは椿が次々と咲き出します。冬の茶花と言えば椿、と言って良いでしょうね。
秋の茶花 [お茶]
九月は天然忌と言うことで如心齋のお好きだった白の芙蓉の花を唐金の花入にいけました。(やっと一輪咲いたお花です)
信楽焼の筒花入に、これもたった一輪咲いたキイジョウロウホトトギスです。
萩焼の砧花入に、矢筈ススキとホトトギスそれに段菊をいけました。
備前焼の鶴首の花入に、秋明菊です。
志野焼の花入に矢筈ススキとヤブミョウガ、フジバカマ、段菊そしてシュウカイドウを入れました。
10月は名残の月ですので、このように沢山のお花を入れることが多いです。
先週のお干菓子、稲穂と案山子です。
七月のお稽古 [お茶]
今月初めのお稽古は丁度七夕の日でしたので、七夕の趣向で道具を組んでみました。
掛物・・・「瀧」
字その物を瀧のように書き、お客様に涼しさを感じて頂きます。
花入・・・籐ひょうたん籠
花・・・時計草(庭の花)
香合・・・舟(桑の木で作られた物)
棚・・・青漆爪紅糸巻棚
碌々齋好
水指・・・染付竹林 仁清写し 御室窯
茶入・・・大海 比古焼
仕覆・・・花兎金襴
主茶碗・・・青磁 雲鶴
薄茶器・・・中次 真塗
替茶碗・・・赤楽 馬盥
食籠・・・志野焼 葦と白鷺
主菓子・・・天の川
干菓子・・・星と短冊
このブログに「いろは」として初めて記事を書いたのが昨年の7月4日。
(それ以前は「Komaの母」として時々参加させて頂いていました)
早いもので、もう一年が経ちます。
それまで、パソコンに触ったこともなく、ワープロすら打ったことがなくて、どうすれば良いのか解らず夢中でやって来ました。
私のテーマは「茶花と山野草」です。
今まで主に自分で育てたお花を見て頂いたのですが、我が家の花もほとんどアップしましたし、
歳?のことも考えますと、定期的にアップするのは今回で終わりにしようと思っています。
これからは、旅に出た時や珍しいお花に出会えました時にだけ、アップさせて頂くつもりです。
皆さまの所には今まで通りお伺いさせて頂きたいと思っています。
これまで拙い文章と写真を見て頂き、本当にありがとうございました。
皆さまに優しくして頂きましたこと、心からお礼申し上げます。